幼児教育

幼児教育とは?子どもの可能性を広げる教育メソッド5選を徹底解説

  • 共働きだから、平日は子どもに少しでも良い教育環境で過ごしてもらいたい
  • 幼児教育ってどれくらい効果があるの?
  • 幼児教育の種類と選び方が知りたい

共働きで子どもの教育に割く時間がとれないため、幼児教育に力を入れている保育園・幼稚園を検討している親は多いです。この記事では、幼児教育の種類や選び方、注意点を解説します。

記事を読めば、子どもの基礎能力向上に役立ち、将来の可能性を広げられる幼児教育の選び方を理解できます。さまざまな種類がある中で、自身の家庭環境や目的に適した選択をできるようになりましょう。

幼児教育とは幼児の特性に適した遊び・学習から成長を促すこと

幼児教育は、小学校に入学する以前までの子どもに行われる教育です。保育園や幼稚園、習い事など広範囲が幼児教育にあたり、世界的に重要視されています。

遊びや学習を通じて子どもの自発的な成長意欲を引き出すことを目的とし、「社会的・感情的・知的」な発達を促進します。さまざまな教育法がすでに確立しており、今後の発展が注目される分野です。

幼児教育のメソッド

幼児教育のメソッドには、子どもの潜在能力を引き出し、最大限に伸ばすためのさまざまなアプローチ方法があります。子どもの潜在能力を伸ばすためには、一人ひとりのニーズに合わせた教育方法が必要です。

代表的な教育メソッドは以下のとおりです。

  • モンテッソーリ教育
  • レッジョ・エミリア教育
  • シュタイナー教育
  • イエナプラン教育
  • ドルトンプラン教育

モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育は、子どもたちが自分自身で学び自立心を育てることを目指す教育方法で、日本でも広く普及しています。自主性と自律を重視し、子ども一人ひとりの個性と能力に応じた学びの環境を提供します。

体系化されたモンテッソーリ教育の特徴は以下のとおりです。

子どもを中心とした環境
子ども一人ひとりの個性や興味、発達段階に合わせた環境を用意し、子どもが自ら主体的に活動できるよう促します。科学的に裏付けられた専門の教具は整然と並べられ、子どもが使いやすいよう工夫された安全な設計です。
教具を用いた感覚教育を重視
五感を刺激する教具を用いた感覚教育を重視します。五感を通して物事を体験することで視覚的、触覚的に物事を理解する力が身につきます。さまざまな種類の専門教具があり、言語・計算・創造力の向上など、得られる効果は実用的です。
自由と規律、社会性を学ぶ環境
教員はできるだけ指示をせず、子どもが「規律の中における自由」を理解できるよう安全に配慮した最低限のサポートに徹します。年齢の違う子どもたちが混ざって活動することも、協調性・社会性を学べる環境のひとつです。

モンテッソーリ教育のカリキュラムは子どもたちの能力や成長に合わせて変化します。体験会などを活用して自分の子どもに最適かを確認するのもおすすめです。
» モンテッソーリ教育とは?5つの教育分野を解説!
» 日本モンテッソーリ綜合研究所(外部サイト)

レッジョ・エミリア教育

レッジョ・エミリア教育とは、規定のプログラムを設定せずに日常のすべてを動画や写真、文章で記録する手法です。子どもたちの自立心を引き出すために「社会性」「時間」「権利」の軸でアプローチします。

レッジョ・エミリア教育の具体的な特徴とメリット・デメリットは以下のとおりです。

レッジョ・エミリア教育のメリット
大人の介入を極力避け、子ども主体のチームでスケジュールを定めずにプロジェクトを長期で進行します。プロジェクトに自らの意志が反映されるため、提案力や交渉力、協調性が身につきます。話し合いの中でさまざまな考え方に触れ、失敗や回り道をする中で新たな気付きを経験可能です。
レッジョ・エミリア教育のデメリット
子どものペースでプログラムが進行する仕組みのため、得られる効果は教師の技量に依存する部分があります。主体性や協調性を重要視するため「個性」を伸ばしたい場合は不向きです。

レッジョ・エミリア教育は、Googleやディズニー内の預かり保育などでも取り入れられている教育方針です。大人の助言がない状況でのプロジェクトの成果は、世界の大企業が注目するほどの可能性を秘めています。

シュタイナー教育

シュタイナー教育は、幼少期に健康的な体を作り上げることを重要視するのが特徴です。音楽に合わせた踊りや、芸術学習を積極的に取り入れ、子どもの個性を伸ばすことを期待できます。試験などで順位をつけることを重視しないため、子どもの成長に合わせた内容で教育が進められます。

シュタイナー教育は、長期間継続して学ぶことで効果を発揮する手法です。日本ではシュタイナー教育があまり普及しておらず、転勤などの影響で学習が中断するリスクがあります。シュタイナー教育は、リスクのない環境を確保した上で選択しましょう。

シュタイナー教育は教材を使った指導よりも、物語や歌、劇などを通じた学びを重視します。多くの芸術に触れることで刺激を与え、自由な発想と表現力を養う教育方針を好む人におすすめです。
» 日本シュタイナー学校協会(外部サイト)

イエナプラン教育

イエナプラン教育は、年齢の違う子どもでグループを構成し、お互いに教え合うことで過度な競争意識や同調圧力が生まれにくい教育法です。教師は最低限のサポートに徹し、指示などは避けます。

イエナプラン教育の軸となる基本活動は以下の4つです。

  • 対話:テーマを決めてグループで議論したり、発表したりする
  • 遊び:さまざまな遊びを通して、創造性・協調性・問題解決能力などを育む
  • 学習:算数、国語、理科など、基礎学力を向上させる
  • 催し:運動会、音楽会、劇など、みんなで協力して作り上げる

カリキュラムを通じて、子どもの自主性を尊重することに重点をおきながら成長の促進を目指します。さまざまな年齢層との関わりから社会性を獲得し、主体的な自立を理解できる教育法です。
» 日本イエナプラン教育協会(外部サイト)

ドルトンプラン教育

ドルトンプラン教育は「自由」と「協同」の2つの原理から、生徒一人ひとりの個性とペースに合わせた学習を行います。具体的には、年齢が違う子どもでグループを作り、教師が生徒一人ひとりの能力に応じた個別指導をしていく教育方法です。

以下にドルトンプラン教育の3つの柱を紹介します。

ハウス
ハウスとは「教室」にあたります。年齢の違う子どもたちで構成され、社会に近い協調性やコミュニケーション能力を身につけられるのが特徴です。教師は生徒の課題解決やイベント企画などを見守り、サポートすることに徹します。
アサインメント
アサインメントとは「時間割」のことです。生徒は教師と相談しながらアサインメントの内容と期限を決め、計画的に学習プランを構築します。個人の興味や能力に応じたアサインメントを設定できるため、効果的に個性を伸ばせます。
ラボラトリー
ラボラトリーとは「実験室」を指し、少人数で専門教科を学習する場です。さまざまな学習を経て、生徒同士のディスカッションや発表を行うことで理解を深め記憶に定着させます。個人に適したスキルを主体的に獲得できる場です。

自由度が高く、教師の負担も比較的少ないのが特徴ですが、日本ではあまり浸透していないのが現状です。ドルトンプラン教育を導入する学校が近くにあれば、学校見学会などを活用すると入学後のイメージがしやすくなるのでおすすめします。
» ドルトン・プラン - Wikipedia(外部サイト)

幼児教育のメリット

幼児教育が子どもたちの成長に与える影響は計り知れないものがあります。幼少期からさまざまな能力を育んでいくことは、子どもたちの将来の社会活動にも必要です。

幼児教育で得られる以下の効果を解説します。

  • 記憶力や想像力が育つ
  • 社会性が身につく
  • 基礎体力が養われる

記憶力や想像力が育つ

記憶力とは、学んだことを忘れず必要なときに活用できる能力を指します。想像力は物事を創造的に考え、解決策を見つける際に役立つ力です。幼児教育で獲得した記憶力・想像力は大人になってからも継続するため重要視されています。

記憶力・想像力の向上に効果的な手段は以下のとおりです。

  • 同じ教育内容の反復学習
  • ゲームやパズルを活用した学習
  • 絵本の読み聞かせ(絵を見せるだけでも良い)
  • お絵かきや塗り絵、安全に配慮したハサミやテープを使った工作作業

知育玩具を繰り返し遊びに取り入れ、子どもが思うままにアート作品を制作することは自由な発想を促し、能力向上に直結します。

社会性が身につく

社会性とは大人だけの概念ではなく、子ども社会にも存在します。礼儀や尊敬の念、順番を守ることの大切さは大人になってからも重要な要素です。さまざまな年齢や性格の子どもとの交流を通して、協調性や共感力を身につける幼児教育を意識しましょう。

幼児教育は幼稚園や保育園など、集団生活におけるルールを守る重要性を理解するのに有効です。さまざまな対人関係の成功や失敗を経て、適切なコミュニケーション方法を自然と身につけられます。

基礎体力が養われる

幼児期は、心身の発達が著しく進む重要な時期です。

幼児期にしっかり運動をすることで、以下のさまざまな効果が期待できます。

  • 将来にわたる体力・運動能力の向上
  • 心(情緒)の安定・脳機能・認知機能が発達
  • 遊びや成功体験を通した協調性・自己肯定感の発達

幼少期における運動習慣は、肉体的・精神的ともに大きなメリットがあります。本格的なスポーツでなく、遊びの延長線上の運動で問題ありません。幼少期の運動習慣は大人になっても好影響があるため、積極的に取り入れましょう。

幼児教育のデメリット

幼児教育のメリットばかりが目立ちますが、デメリットも存在します。以下を参考に幼児教育をバランスよく進めましょう。

  • 効果を実感しにくい
  • プレッシャーがかかる可能性がある

効果を実感しにくい

幼児教育は、成果がでるまでに時間がかかるため、効果を疑ってしまう傾向もあります。選んだ教育が適切なのかわからずモヤモヤしがちですが、長期的な視点が必要なことを忘れてはなりません。自分の家庭が、無理なく幼児教育を継続できる環境にあるのかも検討材料としましょう。

幼児教育次第では、まとまった金額が必要になる場合もあります。経済的な負担が大きければ、教育効果に対する期待値も大きくなりがちです。しかし、子どもの発達速度はそれぞれ違います。年数を経てから幼児教育の成果がでることもあるので、焦らず見守りましょう。

プレッシャーがかかる可能性がある

親が幼児教育に熱心になりすぎると、子どもにとって大きなストレスになる場合があります。

子どもが過度なプレッシャーを受ける可能性があるケースは以下のような場合です。

過剰な早期教育
早期教育は子どもの可能性を広げる有効な手段になり得ますが、バランスが大切です。十分に発達していない幼児期に無理をすると、自己肯定感の低下や自信喪失につながる可能性があります。心身的なストレスがあると本来の能力を発揮できないため注意が必要です。
他の子どもとの比較や競争
他の子どもと比較したり、過度に競争させたりする環境も要注意です。他人との比較で劣等感を感じやすくなり、成功体験の効果も損ねてしまう可能性があります。幼児期の発達速度は人それぞれで、幼いうちの勝ち負けは将来と一致しないことを理解しましょう。
完璧主義
些細なミスでも叱ったり、やり直させたりする完璧主義的な接し方は子どもにプレッシャーを与えます。子どもが失敗を恐れ、チャレンジ精神を失うのは幼児教育にとって大きなマイナスです。子どもの失敗は優しく見守り、成功はしっかり褒めてあげましょう。

子どもに期待を寄せてしまうのは親として自然です。しかし、大きすぎる期待は子どもにとってマイナスになる場合があるため、親も自制しましょう。子どものペースに合わせ、親も一緒に成長することが大切です。
» 早期教育とは?種類とメリット、デメリットを解説

まとめ

幼児教育は子どもの発達において重要です。幼児教育には多彩な方法があります。子どもの能力向上に関わるため、適した方法を選択して実践しましょう。

幼児教育のメリット・デメリットは以下のとおりです。

  • 記憶力や想像力が育つ
  • 社会性が身につく
  • 基礎体力が養われる
  • 効果を実感しにくい
  • プレッシャーがかかる可能性がある

幼児教育の各特徴をおさえた上で、子どもだけでなく、親の家庭環境にも適した教育方法を選択しましょう。子どもの将来に深く関わる幼児教育ですが、長期的な観点も忘れずに無理なく続けられる選択が大切です。
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